放射性医薬品過剰投与で被ばく 技師2人書類送検

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甲府市立甲府病院(増坪町)で放射性医薬品を使用した検査の際、検査を受けた子どもらが過剰投与により、被ばくした問題で、山梨県警南甲府署は8カ月aあまりたった5月11日、医師法違反(無資格医業)容疑で、3月に自殺した同病院放射線室の元技師長補佐の男性(当時54)を被疑者死亡のまま書類送検した。また同僚だった40代男性技師も同容疑で書類送検した。同署によると、40代男性技師は容疑を認めているという。別の技師も立件されたことで、同病院や患者家族は、驚きや戸惑いとともに、患者家族には不信感も強まり、事件の真相究明を訴えた。

2人の容疑は、2010年4月~2011年4月頃、同病院にて、子ども数十人に臓器の機能検査などを実施した際、資格がない上、医師の判断を仰がずに、放射性物質テクネチウム入り検査薬の投与量を決めたなどの疑いがもたれている。検査薬には、日本核医学会の基準を超える量のテクネチウムが含まれていた。自殺した技師長補佐は事情聴取の際には「鮮明な画像を短期間で撮るため多めに投与した」と説明していたという。

昨年9月に、事件が発覚。1999年以降から乳幼児を中心に15歳以下の子ども84人に、検査薬を過剰投与されていた。使用記録簿を改ざんし、投与量を実際より少なく記入していた。

同検査は、技師長補佐の指導の下、7人の技師が、原則2人で担当していた。7人のうち数人は過剰投与と判断し、自主的に投与量を減らしていた。40代男性技師は、「(投与量が多いと)疑問に思ったこともあったが、(技師長補佐に)指示された通りにやっていた」と話しているという。書類送検した2人については、過剰投与のデータなどの証拠があったという。

同病院放射線室の元技師長補佐の男性は、今年3月山梨県笛吹市で自殺しているのが見つかっている。

過剰投与を受けた子どもを持つ家族らがつくった「被害者の会」は、
「(過剰投与が)公表されてから8か月以上経過したが、まだまだ分からない点が多い。まずは病院と市がきちんと真実を明らかにしてほしい」とコメントした。
「被害者の会」の男性は、
「技師の自殺後、事実が解明されるのか不安だったが、処分が出たことは良かった犯罪行為はないと繰り返す病院には憤りを感じる。40歳代の技師の存在は、病院との協議では聞いてなかった。まだまだ隠していることがあるのではないか。病院は本当に実態把握しているのか疑念が深まった。真相を究明してほしい。これで終わりにするのではなく、今後も病院側には補償に関して誠意ある対応をしてほしい。捜査と関わりなく、子どもへの健康ケアはこれまで通り病院に要求していく。」と話した。
「被害者の会」の女性は、
「複数の技師が関わっていたとは想像もしなかった。ますます医師や院長はなにをしていたのかと思う。刑事責任はなくても、問題への責任はあると思う」と訴えた。

市立甲府病院、小沢克良院長は、
「検察の捜査の推移を見守り、引き続き医療安全に努めていきたい。警察の発表以上のことは今はわからない。RI(放射性同位体)検査は技師長補佐のもとで複数の技師がローテーションに入っていた。なぜこの人(40代男性技師)だけなのかはわからない。」と述べた。
野方容子放射線部長は、
「同僚が書類送検されて非常に残念。(40代男性技師)本人から『投与量が多いのではないかと疑問に思っていた』と相談を受けたことがある」と話した。
病院総務課は、
「捜査の推移を見守りたい。安全な医療に全力で取り組み、再発防止に努めたい」とコメントした。
捜査関係者の一人は、
「警察は医師や病院の体制まで刑事罰に問えない。ここから先は、なにが問題だったのか、社会全体で考える必要がある」と話しているという。

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